その手の平は尻もつかめるさ

ギジュツ的な事をメーンで書く予定です

意識の高い学生がこぞって口にする「語学留学」とは

僕の周りは意識の高い学生が多いので、皆さん自分磨きに余念がありません。
やれセミナーだの、やれ交流会だのに勇んで出かけているご様子であります。


その自分磨き活動の中でも、最近「語学留学」がホットなトピックとして挙がっているのでそれについてです。
僕なんて今日の今日まで「留年」の瀬戸際に立たされていたと言うのに、
意識の高い皆さんは「留学」とは。いやはや、一文字違いだと言うのに大変な格差を感じずにはいられません。

語学留学とは

読んで字のごとく、「語学」の習得の為に行く「留学」の事です。
類義語に「駅前留学」があります。こちらも語学を習得できると、もっぱらの噂であります。


また、「異文化に触れられる」というキャッチコピーも飛び交うのがこの「語学留学」であります。
このキャッチコピーは中々に曖昧で何が言いたいのか良く分かりません。
もしかしたら、良く分からないのがこのキャッチコピーのミソなのかもしれません。
「良く分からないなら、留学に行ってみれば?」みたいな切り返しの為の前フリなのかもしれません。
(ただ、盛んに「異文化に触れられる!!」と触れ回っている人間は、やたら「日本はクソ、日本はクソ」と
喧伝する方が多い気がするんですが、これは気のせいなんでしょうか……?)

語学留学の効果の程は……

さて、サンプル数が少なくて申し訳ないのですが、僕は語学留学に行って帰ってきたリアル知人の中で、
マトモに英語が喋れるようになって帰ってきた人間を知りません。


ある一人は、留学に行く前と行った後で全く変化が見られませんでしたし、
もうある一人は、英語力はさほど上昇しなかった癖に、ことある毎に「だから日本はクソだよね!」という
日本国批判から話を始める人間に改造されて帰ってきました。
とまあ、僕は語学留学の成功例を知らない人間ですので、
必然的にそのテの留学に関して不信感を抱くようになってしまったわけです。


ただ、僕が知らないだけで、語学留学を上手くこなして、しっかりと言語を学習した
という方ももちろん沢山いらっしゃる事とは思います。

そもそも語学習得の為だけに海外に行くのは?

日本にいながら英語を学べる時代に、海外留学する意味ってなんだろう | シリコンバレー留学記

僕の今している勉強方法を挙げててみると、
TED、Khan Academy、洋書(Kindle)、オーディオブック、TechCrunchなどのニュースブログ、海外ドラマ・映画、
これらはどれも、日本にいながらでもできることだ。


授業についても、iTunes Uを利用すれば、海外のトップレベルの大学の授業を無料で視聴することができる。


会話についても、フィリピン英会話(レアジョブ、ラングリッチ)を利用すれば、月額5000円といった格安で練習することができる。


実際、そうした勉強法を実践して、それなりの英語力を身につけている人達もいるようだ。

http://sanjose.main.jp/home/2012/01/27/the-reason-to-study-abroad/

と書かれているように、日本でも言語を学ぶ事は可能な訳です。(ただ、上記のエントリは"このこと"が主題ではありません。一応念のため。)
だったら、別に大枚はたいて語学留学に行く必要は無いんじゃ……? と考えてしまう訳です。

結局何が言いたい

僕は、「語学留学」というのはその目的の設定が曖昧で、中途半端な物のような気がしてならないのです。


例えば、「日本よりも、海外の方が数歩先を進んでいる研究テーマがあって、僕はその最先端の研究がしたい!」
という動機で留学するのは、目的が明確で良いと思います。
目的は「研究」であって、「言語」は手段となるため、否が応でも「言語」の習得は必須になってきます。


また、「僕は日本よりも優れた環境でトレーニングして、素晴らしい筋肉を手に入れるんだ!」
という動機で留学するのも、目的が明確なので良いと思います。
効果的なトレーニングを行う為には、現地のトレーナーとの密なコミュニケーションが必要となる事でしょう。
やはり「言語」が手段となるわけです。(人はこれを「筋肉留学」と呼びます)


しかし、「言語を学習する為に海外に行く」というのは、上記の例とは異なる気がします。
「言語の習得」が目的なのは明らかですが、その手段とは何でしょうか。「留学」でしょうか。
ここには、なんだか違和感を感じざるを得ません。


研究の為の留学や筋肉の為の留学では、「言語」という「道具」を使って任意の目的の達成を図っている訳ですが、
言語の習得の為の留学では、その「言語」という「道具」を作る事が目的になっているわけです。


つまり、「語学留学」は道具を作りに行く為だけに海外へと出かけて行く事になるわけです。
だったら、わざわざ海外で道具を作らなくても、日本で道具を作れば良いんじゃ? と思わざるを得ない訳です。

----------------ヨボウセン----------------

さあ、ここから先は予防線です。


「いやいや、待てよ。海外で道具を作った方が良いだろうよ」と仰る向きもいらっしゃる事と思います。
その考えも一理あるとは思います。特に言語であれば、日常的に正しく使用している人の近くで学んだ方が正しく身につく可能性が高いと言えるでしょう。
ただ、コストの問題です。高いコストを支払っても良い、という考えであれば海外で言語を学んでも良いのではないでしょうか。
これはFender USAとFender Japanの関係性に似ている感じが致します。(分かる人は分かって下さい)


また、上記の日本にいながら英語を学べる時代に、海外留学する意味ってなんだろう | シリコンバレー留学記にも

結論から言うと、海外留学の意味は、全く知らない世界に飛び込むという体験にあると僕は思っている。
もちろん、「英語を学ぶ」とか「異文化を学ぶ」といった意味もあるけれど、それよりもこうした異世界に飛び込む経験にこそ、意味があるのではないだろうか。


だから、「何を学べるか」なんて事前には知りえない。事前に言うとすれば、「留学前の自分には想像できないようなことを学ぶ」となるかもしれない。

http://sanjose.main.jp/home/2012/01/27/the-reason-to-study-abroad/

とあるように、人生経験を深める事に意味があると捉える事は可能でしょう。それが本当に有意義な経験か否かは置いといて。
まあ、だとすれば、「留学」などという大仰な呼び方ではなく「見学旅行」という方が妥当なのではないかと思いますが……

そして疑問

で、僕の周りの意識の高い方々は、大体1ヶ月、長くても3ヶ月程度の期間語学留学に行くようなのですが、
これ位の期間で言語(ここで言う言語は英語と仮定しましょう)を習得する事は可能なのでしょうか?
教えて頂けると幸いです。