その手の平は尻もつかめるさ

ギジュツ的な事をメーンで書く予定です

builderscon tokyo 2017に参加してきた

builderscon.io

参加してきました.
見た中で印象に残ったトークについて感想を少し.

詳細な内容を何も書けないんですがはちゃめちゃに面白かった

ブラウザ拡張のクロスブラウザ対応についての話.いろいろな便利ツールを自作して利用していて格好良かった.とにかくクロスブラウザ対応は大変そうという印象 (特にedge).なんとかなってほしい……

複雑なUIを持つブラウザアプリケーションをどう設計・実装するかという話.毎度のことながら実例や実コードを交えてわかりやすく説明していてよかった.Validation周りのアーキテクチャについてはあまり触れられていない分野だと思っていて,そこに言及されていたのは大変参考になった.
最後に言っていた「いくらきれいな設計に見えても,チーム内で合意が取れていない設計は間違えた設計」は本当に至言だと思う.

分割QRコードは完全に初耳で,その存在を知れただけでも収穫だった.大きなQRコードだと破損確率が上がるから,それを分割して1QRコードあたりの情報量を下げることで破損確率を下げるというのは考えられているな〜と思った.便利.

CIに時間がかかってしまうと開発のテンポが悪くなり結果的にスピードが落ちる.とにかくCIが遅いとつらい.そこで大量の並列数でゴリゴリぶん回して高速化を図るというのは合理的な考え方だと思った.そうした開発の足周りについてしっかりR&D的な活動をしているのは素晴らしい.

ファブレスな環境でキーボードを大量生産するという話.去年のbuildersconではcho45さんがキーボード製作のテクニカルな話で登壇されていたけれど,このセッションはどちらかと言うと製品製造の話で,製品設計や工場選定,部品選定,QAに至るまでのフルスタックなプロセスについて話されていて,とてつもなく濃密なセッションだった.有象無象の工場がどんどん違法行為を働いている様もうっすら明かされており迫力があった.普通にこういうコンサルタントで金を取れそう.しかしファブレスで製品を作るのはとにかく大変そうだ……

PHPの話かと思いきやHHVMの話だった.かつてPHP5で関数 (風) プログラミングスタイルで書かれていたSlackのサーバサイドソフトウェアをHHVMに徐々に移行して,今となってはHHVM + hacklangでPHPコンポーネントの全てが書かれているというのはなかなか先鋭的で面白かった.
「なぜHHVMを使っているのか」という質問に対して「SlackにはHHVMのコントリビュータがいて,知見を持っている人がたくさんいたから」と回答していて,技術選択のポリシーが確立されていてとても良いと思った.
ところで本筋とは関係無いんですが「Surprised type conversion」を「びっくり型変換」と通訳の人が翻訳されていて,非常に良い翻訳だと感心しました (本来は「Unexpected type conversion」とかになるはずなので,元の言葉のニュアンスを踏まえた結果なんでしょうが).

雑感

会場の日吉は程よく都心から遠く,カンファレンスに参加しているという感じがして良い.
慶応日吉キャンパスはHUBがあるので便利な一方,しかしついつい酒を飲みすぎてしまい一長一短あると感じている.毎日体調が悪かった.
それはそれとして今回も前回のbuilderscon同様様々な分野の話を聞けて良かった.次回も参加したい.