その手の平は尻もつかめるさ

ギジュツ的な事をメーンで書く予定です

Kindle で電子書籍を購入して、それを読みつつ思った事

Amazon Kindle が日本に上陸したので、ここぞとばかりに電子書籍を購入しました。
ハードウェアとしてのKindle は持ってません。注文はしましたが、1月初旬に届くとのことでしばらくお預け状態です。*1
なので、今はAndroidKindle アプリで書籍を読んでます。これでもなかなか快適です。

買ったもの

Plack Handbook

Plack Handbook


ハード・ソフト・コンテンツの3拍子がそろってないとダメだなー、と思いました

iTunes Music Store みたいな感じって良いよねー

iTMS はハード(iPod/iPhone)、ソフト(iTunes)、コンテンツの3つが足並みを揃えているという好要因のお陰で音楽配信サービスとして人気を博しているのだと思います。

まず、iPod というデバイスがヒットして、それをサポートするソフトウェアであるiTunes が音楽再生ソフトウェアとしての一種のスタンダードを築いた上でiTMS を投入したので、
「まあ使ってみるか」的な感じでiTMS を利用したライトユーザに対して音楽配信サービスの便利さや魅力を刷り込む事に成功し、その人気に火が付いたのではないでしょうか。
で、現在のiTMS は「iTMS ってなんか人気っぽいから俺たちのレーベルの楽曲も配信して貰おうぜ!」みたいな感じでコンテンツが増強され、それにより更に人気が増して……
という良いスパイラルにハマっている感じを受けます。*2

ハードウェアがクソだったら、そもそも誰も使おうとはしないでしょうし、それはソフトウェアでも同様です。これら両方が魅力を持っていなければ成立しません。
従って、この手のサービスで好評を得る為には、「ハード・ソフトが魅力的で、優れたユーザ体験を提供する」というのが前提で、
なおかつ「コンテンツが充実するような体制が整っている」という条件を満たしている必要があるのではないでしょうか。

その点、Amazon Kindle はこれに近い感じがして、なかなか良いポジションにいるような気がします。*3

ただ、消費者としては

ハードウェアにロックインされないほうが嬉しいし*4、書籍の所有権も持っていた方が何かと良いと思います。
(iTMS の場合はiPod/iPhone/iPad というApple のハードウェアにロックインされてしまうので。(そういう手なんでしょうが))

Kindle の場合はハードウェアの依存性がほぼ無いので*5、前者の要求はパスしていると言えるでしょう。

ただ、後者の場合は
Kindleで購入した本を所有することはできない : ギズモード・ジャパン
などからわかるように、条件が満たされているとは言いがたい状況です。
購入した書籍が発禁くらったりしたらその書籍は読めなくなるのでしょうし、最悪、Amazonが倒産してしまった場合は購入した全ての書籍データにアクセス出来なくなってしまうのでしょう。
これはKindle電子書籍を購入するにあたって、大きな心理的障壁に成り得るのではないかと思います。

Kindle が抱える問題

加えて、Kindle は書籍にかかるロイヤルティが高額なようです。
参考: Kindle Digital Publishing で電子書籍を売ってみた - Tatsuhiko Miyagawa's blog

出版社単位で契約を結ぶ場合はまた別なのかも知れませんが、「ロイヤルティが高額」というのは出版元がKindle へのコンテンツ提供を渋る要因に成り得ますし、
それが加速をつけていくとコンテンツは充実するどころかどんどん貧弱になっていくと思われます。
なので、そこら辺もう少しなんとかならねーのかなー、と思うなどしました。

とまあ、Kindle とかなんとか散々言っておいて

O'Reilly の電子書籍が最高です。
O'Reilly Japan Ebook Store

ハードウェアに依存しないですし、手元にデータとして持っておける。その上DRM フリー。
しかも、タブレット等の端末からも直で購入・ダウンロードが出来るらしいです。(これに関しては未確認)

かなり理想に近い!

なので、Kindle にお願いしたいこと

手元にデータとして持てるようにして下さい。不安です。
というか、O'Reillyやらオーム社やら技術評論社やら、色々な出版社が独自にやってる電子書籍サービスを集約して配信してくれるだけで良いです。

あと、早く端末が欲しいです。
何卒。

Kindle Paperwhite

Kindle Paperwhite

*1:Kindle Paperwhite のWi-Fi 版を注文しました

*2:そういえば、この前Sony Music もiTMS に参戦しましたね

*3:ハードウェアについてはまだ所持していないので何とも言えませんが、前評判は上々なので

*4:上記と軽く矛盾していますが

*5:iPhone, Android アプリとして提供されていますし、Windows やMac OS でもソフトウェアがサポートされているので(Linux はWine を使えば大丈夫っぽい)、Kindle 端末じゃなくてもコンテンツが読める